機能性ディスペプシア

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機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは?

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシア(FD)は、腹痛や胃もたれなどの胃の不調が続いている状態です。明確に症状があっても、検査で明らかな器質的異常(潰瘍や腫瘍など)が認められない場合に診断します。
以前は「慢性胃炎」や「神経性胃炎」などと呼ばれていましたが、現在は国際的に機能性ディスペプシアという診断名が使用されています。消化管に明らかな異常がないとはいえ、長期化すれば食事の楽しみが減り、QOL(生活の質)を大きく損ねる可能性があります。
「体質だから仕方ない」とお考えにならずに、お腹の不調でお悩みの方は、大阪府大東市・野崎駅の寺川クリニックにご相談ください。適切な検査と治療で症状の改善を目指しましょう。

機能性ディスペプシアの症状

以下の症状が3か月以上継続する場合、機能性ディスペプシアを含む胃に異常が生じている可能性があります。これらの症状は食事と関連して起こることが多いです。

胃もたれ

胃の運動機能の低下により、食べ物が正常に撹拌・排出されず、胃の内容物が停滞することで起こります。

早期膨満感

通常より少ない量の食事でも、すぐにお腹がいっぱいになる感覚です。胃の機能に異常が起こり、胃が十分に拡張できないために起こります。

腹痛(みぞおちの痛み)

胃の上部に感じる痛みや不快感です。胃の知覚過敏(通常は感じない刺激を痛みとして感じてしまう状態)により、胃の膨張や収縮などの正常な動きでも痛みを感じてしまいます。

胸焼け

胃運動の低下による胃の内容物の停滞や胃酸分泌の異常が起こることで、胸の奥に焼けるような不快感として現れます。

その他の症状

  • 吐き気
  • ゲップの増加
  • 食欲不振

など

機能性ディスペプシアの原因

胃には「貯留」(食べ物を一時的に貯める)、「撹拌」(食べ物を細かく砕いて混ぜる)、「排出」(十二指腸へ送り出す)という3つの重要な機能がありますが、何らかの理由でこれらの機能が低下することで発症すると考えられています。以下のような複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

胃の運動機能障害

胃の動きが弱くなったり、調整がうまくいかなくなったりすることで、食べ物の消化や排出がスムーズに行われなくなります。この結果、胃もたれや早期膨満感などの症状が現れます。

胃の知覚過敏

通常であれば痛みを感じない程度の胃の拡張や収縮を過敏に感じてしまう状態です。脳と胃の間の神経伝達の異常によって起こると考えられています。

ストレス

ストレスや不安などの精神的な要因も機能性ディスペプシアの発症や悪化に関わっています。精神的なストレスが自律神経の乱れを引き起こし、胃の機能に影響を与えると考えられています。

生活習慣

不規則な食生活、早食い、過食、睡眠不足、過度の飲酒や喫煙なども胃の不調に影響します。

その他の要因

  • ピロリ菌感染の既往
  • 消化管の炎症
  • 遺伝的要因

など

機能性ディスペプシアの検査

機能性ディスペプシアは、他の病気の可能性がすべて除外されて初めて診断されます(これを「除外診断」と言います)。以下の検査を通じて、類似の症状を引き起こす病気がないことを確認します。

問診

症状の種類、発生タイミング、持続期間、悪化・改善因子などを詳しく聞き取ります。また、生活習慣やストレスの状況、服用中の薬なども重要な情報です。

内視鏡検査(胃カメラ)

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道炎、胃がんなど、類似の症状を引き起こす疾患を除外するために必須となります。検査時に組織を採取して、ピロリ菌感染の有無も調べることができます。

その他の検査

症状や病歴に応じて、血液検査、腹部超音波検査(腹部エコー)、CT検査などを行うこともあります。

機能性ディスペプシアの治療

機能性ディスペプシアの治療は、症状や推測される原因に応じて以下のようなアプローチを組み合わせて行います。

薬物療法

症状や原因に応じて、胃酸の分泌を抑えるお薬や胃の動きを調整するお薬、漢方薬などを使用します。

生活習慣の改善

薬物療法と並行して以下のような生活習慣の改善も重要です。

  • 規則正しい食生活(13食、決まった時間に食事など)
  • 食事の摂り方の工夫(ゆっくり、よく噛んで食べる、腹八分目など)
  • ストレス管理(リラクゼーション、趣味の時間の確保など)
  • 十分な睡眠と休息
  • 適度な運動
  • 刺激物(アルコール、カフェイン、辛い食べ物など)を控える

など