胃炎

胃炎

胃炎とは?

胃炎 胃の内壁を覆う粘膜に起きた炎症を総称して胃炎と言います。胃の粘膜は通常、胃酸から胃自体を守る防御機能を持っていますが、何らかの理由でこの防御機能が低下したり、胃酸の分泌が過剰になったりすると、粘膜がダメージを受けて炎症が起こります。

特に長期化した胃炎は、胃・十二指腸潰瘍や胃がんのリスクを高めることもあります。胃の不快感や痛み、食欲不振や消化不良が長期間続く場合は、お早めに大阪府大東市・野崎駅の寺川クリニックへご相談ください。

胃炎の種類と症状

胃炎は発症の経過によって急性胃炎と慢性胃炎に大きく分けられます。急性胃炎は突然発症し、強い症状を伴うことが多いのに対し、慢性胃炎はゆっくりと進行し、症状が軽微であったり、まったく自覚症状がなかったりすることもあります。

急性胃炎

急性胃炎は突然発症し、強い症状を伴うことが特徴です。主な症状としては、みぞおちの激しい痛み、吐き気・嘔吐、食欲不振などが挙げられます。アルコールの過剰摂取や刺激物の摂取、特定の薬剤の副作用などが原因となることが多く、食中毒などの感染症が原因の場合は発熱を伴うこともあります。通常は原因を取り除くことで、数日から1週間程度で軽快します。

慢性胃炎(ピロリ菌感染)

慢性胃炎は長期間にわたって持続する胃の炎症で、主にピロリ菌感染が原因となります。自覚症状が現れないことも多く、あったとしても軽度の胃もたれ、みぞおちの不快感、食欲低下などが続く程度です。まったくの無症状のまま経過することも多く、健康診断や他の疾患の検査で偶然発見されることもあります。放置すると胃粘膜が徐々に萎縮し、胃酸の分泌も減少する萎縮性胃炎へと進行し、胃がんのリスクを高める可能性があります。

胃炎の原因

胃炎を引き起こす原因は様々ですが、主なものには以下のようなものがあります。

細菌・ウイルス感染

ピロリ菌は慢性胃炎の主な原因です。近年の日本ではピロリ菌への感染率は低下しているものの、一度感染したピロリ菌は基本的に自然治癒しません。また、食中毒の原因となる細菌やウイルスも急性胃炎を引き起こすことがあります。

薬剤の影響

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの一部の薬剤は、胃粘膜の防御機能を低下させる副作用があります。これらを長期間使用すると、胃炎や胃潰瘍のリスクが高まります(薬剤性胃炎)。

生活習慣

過度の飲酒や喫煙、不規則な食生活、ストレスなども胃炎の原因となります。特にアルコールは直接胃粘膜を刺激し、胃酸の分泌を増加させます。また、辛い食べ物や刺激物の過剰摂取、過食や早食いなども胃に負担をかけます。

胃炎の検査

胃炎の診断には、以下のような検査が行われます。

問診・身体診察

まずは症状や経過、生活環境、服用中のお薬などについて詳しくお聞きします。みぞおちの圧痛の有無なども確認し、胃炎の可能性や緊急性を判断します。

血液検査

胃炎による貧血の有無や炎症反応、ピロリ菌に対する抗体の有無などを調べます。また、肝機能や腎機能の検査も行い、お薬による治療の安全性を確認します。

内視鏡検査(胃カメラ)

胃炎の確定診断には、胃カメラ検査が有効です。胃の粘膜を直接観察することで、炎症の程度や範囲、粘膜の萎縮の有無などを詳細に評価できます。また、内視鏡検査中に組織を採取して、ピロリ菌の有無や悪性変化の有無を検査することも可能です。

 

胃炎の治療

胃炎の治療は、種類や原因によって異なりますが、基本的には原因の除去と症状の改善を目指します。

急性胃炎の治療

急性胃炎の場合はまず症状の緩和を優先します。胃酸の分泌を抑えるお薬や胃粘膜を保護するお薬を使用し、胃の負担を軽減します。症状が強い場合は一時的に絶食し、水分補給を中心に行うこともあります。

原因となる要素(アルコール、刺激物、特定の薬剤など)を取り除き、胃を休ませることで、多くの場合は短期間で改善します。

慢性胃炎の治療

ピロリ菌感染による慢性胃炎では、除菌治療が基本となります。2種類の抗生物質と胃酸分泌抑制薬の服用を12週間行います。除菌に成功すると胃粘膜の炎症が改善し、胃がんのリスクも低減できます。