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過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは?

過敏性腸症候群は特に若い世代に多く見られ、ストレスや環境の変化によって悪化することがあります。症状の特徴として、排便によって一時的に症状が軽快することが挙げられます。直接命に関わる病気ではありませんが、日常生活に大きな支障を来して、QOL(生活の質)を著しく低下させる可能性があります。
腹痛や便通の悩みでお困りの方は「体質だから仕方ない」と諦めず、大阪府大東市・野崎駅の寺川クリニックまでご相談ください。適切な診断と治療によって症状の改善をサポートします。
過敏性腸症候群の症状
過敏性腸症候群では、主に腹痛と便通異常が特徴的な症状として現れます。これらの症状は排便により一時的に軽快することが多いですが、症状の種類や程度は患者様によって大きく異なります。
腹痛
腸の刺激に敏感になり、通常なら感じない軽微な刺激にも反応して痛みを感じます。特に下腹部の鈍痛や急な痛みとして現れ、食事の前後や精神的なストレスで悪化することがあります。
便通異常(下痢・便秘)
腸の運動機能異常により、便の通過が早すぎたり遅すぎたりすることで便通異常が起こります。症状の現れ方によって下痢型、便秘型、あるいはこれらが交互に現れる混合型に分類されます。
お腹の張り
ガスが腸内に過剰に溜まることで、お腹が張るようになります。特に食後に悪化する傾向にあります。
過敏性腸症候群の原因
過敏性腸症候群の明確な原因は特定されていませんが、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。
腸の運動機能の異常
過敏性腸症候群の方は、文字通り腸が刺激に対して敏感になっています。通常なら感じない軽微な刺激に対しても痛みを感じたり、腸の動きが不規則になったりすることで症状が現れます。
ストレス
ストレスや不安などの心理的要因が、腸と脳の相互作用(脳腸相関)を通じて腸の機能に影響を与えることがあります。特にストレスが強い時に症状が悪化する傾向があります。
腸内環境の変化
腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスの乱れが過敏性腸症候群の発症に関与している可能性があります。食生活の偏りや抗生物質の使用などによって腸内環境が変化することで症状が現れることがあります。
過敏性腸症候群の検査
腹痛や便通異常の症状は炎症性腸疾患や大腸がんなど様々な消化器疾患でも起こるので、適切な検査でこれらの可能性を否定する必要があります。すべての病気の可能性が否定されて初めて過敏性腸症候群と診断できます。
問診・身体診察
症状の特徴、発症時期、悪化・軽快因子、生活習慣などを詳しく聞き取ります。身体診察では腹部の圧痛の有無や場所を確認し、他の病気を疑う所見がないかを評価します。
血液検査
体内の炎症や貧血の有無、肝機能・腎機能などを調べ、炎症性腸疾患や悪性腫瘍(がん)などの可能性を評価します。過敏性腸症候群では通常、血液検査で異常値は認められません。
便検査
便潜血検査などを行い、消化管からの出血や炎症の有無を確認します。これらが陽性の場合は、過敏性腸症候群以外の病気が疑われます。
内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸カメラ検査により、大腸粘膜の状態を直接観察します。過敏性腸症候群では通常、粘膜に明らかな異常は認められません。必要に応じて胃カメラ検査も行います。
過敏性腸症候群の治療
過敏性腸症候群の治療は、症状の種類や程度、原因となっている要因に応じて行います。お薬による治療も行いますが、生活習慣の改善や食事療法、ストレス管理なども重要な要素となります。
生活習慣の改善
規則正しい生活リズムを整えることで自律神経のバランスを改善し、腸の機能を正常化します。適度な運動や十分な睡眠の確保、ストレス管理なども重要です。無理のない範囲で生活習慣を見直していくことが症状改善につながります。
食事療法
食事内容を見直し、症状を悪化させる可能性のある食品を特定・制限することで症状の改善をはかります。バランスの良い食事、適切な食物繊維の摂取、刺激物の制限、規則正しい食事時間などが基本となります。
薬物療法
症状に応じて以下のような薬剤を組み合わせて使用します。
- 腸の運動を調整するお薬(消化管運動調整薬)
- 腹痛を和らげるお薬(鎮痙薬)
- 下痢や便秘を改善するお薬
- 抗不安薬や抗うつ薬(精神症状が強い場合)
など