肥満・メタボリックシンドローム

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肥満・メタボリックシンドローム

肥満・メタボリックシンドロームとは?

肥満・メタボリックシンドローム BMI(体格指数)が 25 以上の場合は、肥満に該当します。また、BMI25未満でも腹囲が一定の範囲(男性 85cm 以上、女性 90cm)を超えている場合は内臓脂肪型肥満となります。これに高血糖、高血圧、脂質異常のうち 2 つ以上が合併している状態が、メタボリックシンドローム(通称メタボ)です。肥満やメタボは見た目の問題だけでなく、体内で様々な代謝異常を引き起こします。特に内臓脂肪から分泌される物質は血管や臓器に悪影響を及ぼし、動脈硬化を促進するため、放置すると心筋梗塞や脳卒中といった重大な合併症を引き起こすリスクが高まります。

健康診断で肥満やメタボを指摘された方、体重増加や体型の変化が気になる方は、お早めに大阪府大東市・野崎駅の寺川クリニックにご相談ください。適切な評価と生活習慣の改善指導によって、健康な毎日をお守りします。

肥満・メタボリックシンドロームの原因

肥満・メタボリックシンドロームは、主に生活習慣と密接に関連しています。以下のような様々な要因が複数影響しあって発症・進行します。

食生活の変化

現代の食環境は、高カロリー食品が手軽に入手できる状況にあります。特に脂質や精製炭水化物を多く含む加工食品の増加、食事の欧米化、外食やコンビニ食の頻度増加などが、肥満やメタボのリスクを高めています。栄養バランスの偏りや不規則な食事時間も影響します。

運動不足

デスクワークの増加、車移動が多い、余暇をテレビやスマートフォンで過ごすなど、現代社会では座って過ごす時間が多くなっています。座っている時間が長く運動不足になると、筋肉量の減少と脂肪の蓄積を促進します。

その他の要因

加齢による基礎代謝の低下、睡眠不足やストレスによる食欲増進やホルモンバランスの乱れ、遺伝的な要因なども肥満やメタボの発症に関わります。特に中年以降の女性ではホルモンバランスの変化が、男性では内臓脂肪が蓄積しやすい体質なども要因となっています。

肥満・メタボリックシンドロームの合併症

肥満・メタボになっても自覚症状こそほとんどありませんが、以下のような様々な病気のリスクを高めます。

心血管疾患(心臓や脳の病気)

内臓脂肪から分泌される物質は、血管の炎症や動脈硬化を促進し、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患のリスクを高めます。特にメタボリックシンドロームは、複数のリスク因子が重なっている状態ですので、動脈硬化の進行が加速します。

生活習慣病

内臓脂肪の蓄積は、血糖値の上昇や血圧の上昇につながります。放置すると高血圧、糖尿病、脂質異常症などの様々な生活習慣病を発症するリスクが高まり、それぞれの合併症へとつながる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群

肥満は睡眠時無呼吸症候群の主要な危険因子です。特に首周りに脂肪が蓄積すると、睡眠中に気道が塞がりやすくなり、呼吸が一時的に止まる無呼吸状態が繰り返されます。この状態は日中の強い眠気や集中力低下を引き起こすだけでなく、高血圧や不整脈のリスクも高め、心血管疾患の発症にもつながります。

その他

脂肪肝や関節疾患(特に膝や腰への負担増加)、一部のがん(大腸がん、乳がん、子宮体がんなど)のリスクの上昇も肥満と関連しているとされています。

肥満・メタボリックシンドロームの検査

肥満とメタボには以下のような診断基準があります。

肥満の診断基準

BMI(Body Mass Index)という指標が診断の目安になります。健康診断等で行う身体測定で判定できます。
BMI=体重(kg÷[身長(m×身長(m]

BMI 判定
18.5未満 低体重
18.5~25未満 普通体重
25~30未満 肥満(1度)
30~35未満 肥満(2度)
35~40未満 肥満(3度)
40~ 肥満(4度)

 

メタボの診断基準

  • 内臓脂肪の蓄積(腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上)

なおかつ、以下のいずれか2つ以上に該当する場合にメタボとなります。

  • 高血糖(空腹時血糖110mg/dL以上)
  • 高血圧(最高血圧130mmHg以上または最低血圧85mmHg以上)
  • 脂質異常(中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満)

当院では、これらの検査に加えて、必要に応じて動脈硬化の評価や睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングなども行い、患者様の状態を総合的に評価します。

肥満・メタボリックシンドロームの治療

肥満・メタボリックシンドロームの治療は、生活習慣の改善を基本とし、必要に応じてお薬による治療を併用します。

生活習慣の改善

食事療法

BMIを元に適正カロリーの摂取を心がけます。単に食べる量を減らすのではなく、栄養バランスの良い食事が重要です。食物繊維が豊富な食品を積極的に摂取する、動物性脂肪や炭水化物を控える、間食や糖分の多い飲料を減らす、よく噛んで食べるなどの工夫が効果的です。

運動療法

有酸素運動(ウォーキング、水泳など)と筋力トレーニングを組み合わせて行います。また、日常生活での活動量を増やす工夫(階段を使う、こまめに立ち上がるなど)も大切です。無理なく続けられる運動を心がけ、徐々に強度や時間を増やしていくようにしましょう。

病気の管理

メタボリックシンドロームに伴う糖尿病、高血圧、脂質異常症などに対しては、生活習慣の改善と並行して、必要に応じてお薬による治療も行います。病気を適切に管理し、無理のない減量を行うことで、合併症のリスクを低減できます。