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逆流性食道炎

逆流性食道炎とは？

逆流性食道炎は、胃の内容物が食道へ逆流し、食道の内壁に炎症が起こる病気です。
通常、胃と食道の境目には「下部食道括約筋」という筋肉があり、胃酸や胃の内容物の逆流を防いでいますが、この機能が低下すると逆流が起こりやすくなります。食道の粘膜には胃酸への抵抗力がないため、頻繁に胃酸にさらされると徐々にダメージが蓄積していきます。これが続くと炎症を起こして粘膜が荒れ、様々な症状を引き起こします。
また、逆流性食道炎を繰り返して食道へのダメージが蓄積すると、食道がんの前がん病変である「バレット食道」と言う状態に進行する可能性もあります。逆流性食道炎が疑われる症状が続く場合は早めに診察を受けましょう。胸焼けや胸のつかえ感などでお悩みの方は、大阪府大東市・野崎駅の寺川クリニックへお気軽にご相談ください。

逆流性食道炎の症状

逆流性食道炎では様々な症状が現れますが、特に食後や就寝時に悪化することが多いです。主な症状には以下のようなものがあります。

胸焼け

胃酸が食道に逆流することで食道粘膜が刺激され、胸骨の後ろに熱感に近い痛みを感じます。食後や横になった時に悪化しやすく、数分から数時間ほど続くことがあります。

みぞおちの痛み

胃酸の逆流により食道下部や胃の上部が炎症を起こし、みぞおちに痛みや不快感が生じます。食べ過ぎや脂っこい食事の後に特に強く感じることが多いです。

胸のつかえ

逆流による炎症で食道の粘膜が腫れたり、食道の筋肉の動きが悪くなったりして、食べ物が通りにくく感じます。

酸っぱいゲップが出る

胃酸が食道を通ってのどまで逆流することで、口の中に酸味を感じます（呑酸）。特に前かがみの姿勢や就寝時に起こりやすいです。

その他の症状

逆流性食道炎の原因

逆流性食道炎の主な原因は、下部食道括約筋の機能低下や胃内圧の上昇による胃酸の逆流です。以下のような要因が関係しています。

生活習慣

不規則な食事、過食や早食い、食後すぐに横になる習慣は、胃酸を逆流をさせやすくします。特に就寝前の食事は横になることで逆流が起こりやすく、症状を悪化させる要因となります。また、前かがみの姿勢が多い仕事や、強い締め付けのある衣服の着用も胃への圧迫を介して逆流を引き起こします。

脂っこい食事や刺激物

脂っこい食事、辛い食べ物、酸味の強い食品、カフェインやアルコールなどは、下部食道括約筋を緩める作用があり、逆流を促進します。また、チョコレートやミント、炭酸飲料なども同様の作用があるため、症状がある方は控えめにした方が良いでしょう。

体形の変化

肥満は腹圧を上昇させるため、胃酸の逆流を起こしやすくします。また、妊娠中は子宮の拡大による腹圧上昇や、ホルモンの影響で逆流性食道炎を発症しやすくなります。

逆流性食道炎の検査

逆流性食道炎の診断では、問診による症状の確認と胃内視鏡検査（胃カメラ）の2つが中心となります。

問診

症状の種類や出現する状況、食事や生活習慣との関連性などを詳しく聞き取ります。特に胸焼け、呑酸などの典型的な症状があり、食後や就寝時に悪化する場合は逆流性食道炎が疑われます。

内視鏡検査（胃カメラ）

胃カメラ検査では、食道の粘膜の状態を直接観察し、炎症の程度や範囲を確認できます。内視鏡検査を行うことで、バレット食道や食道がんなど、他の食道疾患の可能性も同時に評価できます。

逆流性食道炎の治療

逆流性食道炎の治療は、主にお薬による治療（薬物療法）と生活習慣の改善を組み合わせて行います。

薬物療法

胃酸の分泌を抑えるお薬、胃酸を中和するお薬、胃や食道の粘膜を保護するお薬などを症状にあわせて使用します。

生活習慣の改善

薬物療法と並行して、胃酸の逆流を起こしやすくする生活習慣を改善します。